猫さんとバッタリ出会ったことから、昔撮影した猫の写真を思い出した。茶トラのノラさんだったが、警戒心が微塵もなく、私の目の前で昼寝を始めた猫だ。
気まぐれに訪れた場所で、偶然居合わせた猫。
撮影の時には気づかなかったが、その子はたぶん風邪気味だったのだと思う。
帰って画面で確認していたら、目やにがついていて、お鼻も少しずぐずしていた。
9年前の話になる。
ストリート写真はレタッチしない。あるものはそのまま。
私がその環境に影響を与えることもしない。
ただ、ドキュメントするだけ。
その時はそう思って撮影していたけれど、
そのあと徐々に自分で環境を整えること・自分もその一部になることを学び、今は少し違う心境にあることに気づいた。
あの時の状況がまた目の前に現れたとしたら、どうしたいだろう。
もうあの状況が再び現れることはないとしても、今の自分には何ができるだろうか。
そう考えた結果、レタッチで猫さんの目やにをとってあげることにした。
おそらくこれは私が「猫」というイメージに望んでいることであって、被写体の猫さんが望んでいたことではないかもしれない。
猫さんは綺麗好きとはいえ、人間を見て、
「目やにとってくれないかなー」とか
「顔拭いてブラッシングしてくれないかなー」と、そんなことを考えているとは思えない。
たぶん、身だしなみは自分で整えられると思っていると思う。当時出会った猫さんはそのままで幸せそうだったし、存在自体が完璧だった。
そんなことを思いながらの編集作業3時間だった。
コメントを残す